推拿 Tui na
古代中国から伝わる伝統的マッサージにして、ありとあらゆる手技療法(指圧・あん摩・整体)の原点、【推拿】の魅力に迫り、その世界の扉を開いていきます。
こんにちは、マッサージブロガーのたろーです。
今日は冒頭でもお伝えした通り、あらゆるドライ系マッサージや、整体法の源流でもある推拿について解説していきます。
「KING OF 東洋マッサージ」とでも名付けましょうか。
何を隠そう、この推拿こそが、僕をマッサージの世界に導いてくれたと言っても過言ではないのです。
あなたも、この東洋マッサージ界のラスボスでもある推拿を理解することで、様々な可能性を広げることができるでしょう。
推拿とは?
そのまま日本語読みすると「スイナ」となり、日本でもその呼び名で浸透していると思うのですが、正式には「Tui na」と読むので、「トゥイナ」が正しい発音かもしれませんね。
日本では、推拿という名前があまり浸透していないので、「中国整体」と分かりやすく掲げている整体院も多いようですね。
推拿は古代中国から伝わる伝統的な手技療法(マッサージ)で、あらゆる手技療法(指圧・あん摩・整体など)の源流でもあります。
鍼灸・漢方薬と並び、中国三大医療の一つとされています。
現在の中国でも、中医学の免許を持った中医師が、標準的な治療行為として推拿を取り入れており、幼児、成人、整形外科、外傷学、美容、リハビリテーション、スポーツ医学など、様々な分野で活用されています。
生命力やエネルギーの源である「気」の滞りが、身体の痛みや病気を引き起こす可能性があるという理論に基づいているので、推拿でその気の流れを刺激して、体内のバランスや調和を整えることを目的としています。
考え方は鍼治療に似ているので、鍼と推拿を併用して治療を行う中医師さんも多いようです。
推拿の目的
推拿の哲学と原理は、気候、人間関係、食事などの側面だけでなく、人の幸福感や感情的および身体的要素に焦点を当てた、伝統的な中国医学に基づいています。
推拿の根底にある哲学は、自己とその環境の内側で調和とバランスを見つけたときに、真の健康が達成されるということなのです。
推拿の目的としては、気の停滞を引き起こすエネルギーブロックを取り除いて、痛みや病気、感情的な問題を解決して、身体と心に調和をもたらすことです。
鍼治療と同様に、経絡とツボに焦点を当て、身体の気と血液のバランスを整えて健康を改善していく流れとなります。
推拿の手技・テクニック
推拿のマッサージ手技はとても奥深く魅力的で、あらゆるテクニックや速度や圧を駆使して、穏やかに、時にはエネルギッシュに施術していきます。
陰と陽、静と動を意識したマッサージでもあります。
陰のアプローチはより穏やかで、受動的で、瞑想的な一方、陽のアプローチは、より積極的、動的、物理的に強い圧を加えたマッサージになります。
基本的には、日本でも行われている、ボディケア、もみほぐし、あん摩などのテクニックと大差はないのですが、より軽快でリズミカルに、流れるような手技で筋肉をほぐしていくという感じです。
指圧や筋膜リリース、ストレッチや運動法のテクニックも多用します。
推拿の主なテクニック
按法(あんぽう):押す
拿法(なほう):つまむ
揉法(じゅうほう):もむ
擦法(さっぽう):摩擦する
推法(すいほう):強くなでる
振法(しんぽう):振動を与える
一指禅推法(いっしぜんすいほう):親指の屈伸
断筋法(だんきんほう):筋肉をほぐす
こん法(こんぽう):転がす
叩打法(こうだほう):たたく
抖法(とうほう):四肢を揺らす
屈伸(くっしん):肘と膝のちょうつがい関節を曲げる
揺法(ようほう):関節を回す
扳法(ぱんほう):押しながら引く
など
基本的な推拿の手技やテクニック、流れは↓の動画を参考にしてください。
こちらは有名なマー先生の推拿動画です。推拿というよりは、ボディケアやもみほぐしに近い、実践しやすい手技になっていますので、とても参考になります。
推拿の効果
推拿は、痛みや病気の治療、または健康維持に有効です。
また、ストレスの軽減、心身の癒し、質の良い睡眠にも効果的です。
多くの場合は、その他のマッサージと同様に、筋骨格系および神経系に関連する状態および損傷を改善するのに効果を発揮します。
推拿の有効性を裏付ける様々な研究結果が出ていますので、簡潔に紹介していきます。
- 血行促進
- 首肩の痛みの軽減
- 腰痛の緩和
- うつ症状の軽減
- 健康な授乳の促進
- 変形性関節症の症状の緩和
- 手根管症候群の症状の緩和
- 筋骨格障害による痛みの軽減
- 糖尿病による足の問題の改善
- がん患者のクオリティーオブライフへの寄与
このように様々な問題に推拿は効果的であることがわかってきていますが、決して万人に効く万能薬ではないということだけは頭の片隅に留めておきましょう。
推拿を学ぶのにおすすめの本
推拿をより詳しく学びたい方は以下の本を参考にしましょう。
僕と推拿の出会い
冒頭でもちらっと説明しましたが、僕がマッサージに興味を持ち、結果的にセラピストの世界に足を踏み入れたのは、推拿を受けた経験が大きい比重を占めているんですよね。
ここからは、かなりおふざけな、推拿の魅力とは関係のない、僕個人の話になるので、興味のない方はスルーしちゃってくださいね。
僕が初めてお店で受けた本格的なマッサージは、意外にもこの推拿でして、アメリカの大学でスポーツ経営を学んでいるときに、友人とニューヨークのチャイナタウンにある、さびれた「Chinese Massage」の看板に導かれるように足を踏み入れたのが最初でした。
なにかが起こりそうな淡い期待を抱いていたのは内緒です。。
現れたのは、目を奪われるほどの絶世の中国美女・・・
ではなく、目を疑いたくなるほどのフツーの小柄なおじさんでした。
『ただの案内役のスタッフであってくれ!』
と心で強く叫びながら少しくたびれたベッドにうつ伏せになったものの、スタッフが代わる気配はありません。
このマッサージ店を選んでしまったことと、自分の引きの弱さに幾ばくかの失望を抱きながら施術を受けていると、意外にも意外、めちゃめちゃ気持ちイイのです。
こちらの要望を聞かずとも、流れるようなリズムから絶妙な力加減で、そしてピンポイントに希望の箇所をほぐしていくそのテクニックは、それまでテレビで見ていた痛そうなだけの指圧や足つぼのイメージを一瞬にして払拭させ、そのあまりの気持ち良さに感動すら覚えました。
施術終了後、決して愛想が良いとは言えないその小柄なおじさんが、少しだけ大きく見えました。
その時の記憶がきっと頭の片隅にあり、大学を卒業して帰国後、就活で悩んでいる時に、あっ、マッサージやりたいかも!と思えたのでしょう。
とまぁ、こんな感じで僕と推拿とは出会ったわけです。
チャンチャン♪
まとめ
最後は全く意味のないストーリー展開をしてしまいましたが、推拿の魅力についてはご理解頂けたでしょうか?
推拿は様々なメリットをもたらす、マッサージ・癒しのテクニックです。
興味がある方には本当にオススメのマッサージです。
とは言っても、日本でなかなか本格的な推拿を受けられる機会は少ないと思いますので、どうしても気になる方は、推拿とググってみるか、中国整体を渡り歩いて、良い施術師さんを見つける旅に出るかしてみてください。
いつか僕のように素晴らしい推拿に出会えることを祈りながら、あっ、無宗教なんですけどね、、ではまたお会いしましょう。
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