近年、ピラティスを学ぶ理学療法士が世界的に増えてきています。ピラティスはもともと、戦争で負傷した兵士のリハビリのために開発されたものであり、理学療法士の仕事と非常に関連性の高い領域であるのがその理由です。
国際的にピラティス教育を提供している「BASIピラティス」によると、アメリカBASIの受講生の約6割が理学療法士ということです。実際、理学療法士がピラティスを学んだことにより、身体に関する知見が広まり、より良いサービスが提供できるようなりました。
さらに、理学療法士自身の気持ちが前向きになり、日々充実した気持ちで仕事に取り組めるようになったとの報告もされています。仕事の成果だけでなく、ピラティスが人生そのものにも良い影響をもたらしてくれたということです。
本記事では、理学療法士がピラティスを学ぶことで得られるメリットを解説していきます。
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理学療法士がピラティス資格を取得する4つのメリット
理学療法士がピラティスを学ぶことで得られるメリットを4つ紹介していきます。
① 患部だけでなく、身体全体に注目できるようになる
理学療法士としての業務の最中には、どうしても患部だけに意識が集中してしまいがちです。医師の診断を受け、処方された通りにリハビリを行うため、決して「それが間違いである」ということはありませんが、身体のどこかが悪くなっている場合、まったく違う場所に原因があるというケースも多々あります。たとえ患部だけが治療の対象であったとしても、その部分を庇うことで全身のバランスが崩れてしまうこともあります。よって、身体の動きを改善するためには全身のつながりを意識する必要があるのです。
ピラティスはまさに、全身のつながりを意識していくトレーニング。より広い視点で患者さんの身体を見ることで、単なる機能回復だけではなく、根本から改善できるリハビリが行えるようになります。日常生活における筋肉の動きを正しく理解しておくことは、故障しない身体を作る上ではとても重要です。
また、様々なエクササイズをインプットすることは、患者さんに合ったリハビリメニューを組む上でも役に立ちます。怪我や病気をしてからの治療だけでなく、悪化を予防するためのエクササイズなど、様々な視点からのアドバイスができるようになることで、患者さんにより質の高いリハビリを提供することができるようになるでしょう。
② メンタル面からリハビリのヒントを探ることができるようになる
緊張していたら筋肉が固まるように、心と体は密接につながっています。しかし、慌ただしい日常を送る現代人はついついそのことを忘れてしまいがちです。自分の心と身体に徹底的に向き合うピラティスを学ぶことで、心身の繋がりをより感じられるようになります。
理学療法士さんの中にも、ピラティスを学ぶことで単なるリハビリを行うだけでなく、患者さんの価値観やこれまで辿ってきた人生について考えることで、現在の患者さんの身体についてより深い見方ができるようになった人もいるようです。
心と身体の両方を含めて「目の前の患者さんが良くなるにはどうすれば良いか」という視点で取り組めるようになることで、より大きな視野で発想豊かなPT人生が歩めるようになります。同じリハビリを受けるのであれば、メンタルもしっかりとケアしてくれる理学療法士さんの方が患者さんも嬉しいことでしょう。
③ 自分のこともケアできるようになる
ピラティスを学び始めた理学療法士さんの声を聞いてみると、「自分の体にも注目するようになった」という感想を多く耳にします。
「激務」と呼べるほど多忙な理学療法士さんたちは、自分のことはつい後回しにしがち。ピラティスをやっている間だけでも、自分自身の心と身体に向き合うことで、改めて自分と向き合うことの大切さを実感できたという方もおられました。ピラティスを通して心が前向きになり、患者さんにも元気を与えられるようになったと感じる人もいるようです。
単に詰め込んだだけの知識ではなく、実際の体験からもらうアドバイスは、説得力も変わってきます。そういった意味では、心と身体が元気であることの喜びを自分自身で体感した上で、それを患者さんに伝えられるというのは、とても大きな武器になります。改めて自分の仕事の意義深さや素晴らしさを感じられるようになるのではないでしょうか。
④ 転職・独立・起業と、活躍の場が広がる
「ピラティス資格を持つ理学療法士がいる」ということを謳っている整形外科もあるほど、あらゆる角度からの専門知識を持っていることは大きな武器となります。
リハビリは基本的に病院で治療を受けている人が対象となりますが、病院に行くまではいかなくても、慢性的な痛みを抱えていて、何らかのケアを必要としている人も数多くいます。怪我や慢性的な不調を予防するピラティスは、日常的に気軽に行えるケアとして今後間違いなく需要が拡大していくと考えられます。
またアメリカでは、機能解剖学やリハビリの深い知識をピラティスと掛け合わせ、独自のメソッドで開業するというケースもよく見られます。こういったサービスは、高齢者や障害者、アスリートやダンサーなど幅広い層に支持されていて、リハビリやパフォーマンスの向上など、目的も様々です。
日本では、激務となかなか厳しい待遇面から、理学療法士としての知識を活かしてパーソナルトレーナーや整体師として独立する方も多く見かけます。理学療法とピラティスの知識を掛け合わせることで、より大きな新らしいチャンスが見えてくるはずです。
転職や独立をしなくても、ピラティスの資格を持っているということで現在の職場での仕事の幅が広がる可能性もあります。新たに得た知識やものの見方をもとに、今の業務で改善できることを見つけたり、上司に提案してみたりするだけでも、新たな展開に繋がることも期待できるでしょう。
まとめ
ピラティスを学ぶことで、患者さんにも、自分自身にも良い影響が働き、さらに将来の選択肢を増やすこともできます。人生を変える可能性を秘めているといっても過言ではありません。
初心者からでも国際的に知名度の高いピラティス資格を取得できるスクールはいくつかありますので、今後さらなる飛躍を目指す方は要チェックです!
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